はじめに
全国の院生、若手研究者、大学生の皆様、こんにちは!
第54回物性若手夏の学校校長の明石遼介です。
この度は本ホームページを訪問していただきありがとうございます。
ここでは『物性若手夏の学校』の内容について説明いたします。
1,物性若手夏の学校とは
『物性若手夏の学校』は来年度で54回目を迎える歴史ある夏の学校です。 それは、普段はそれぞれの大学で研究に励んでいる物性分野の若手研究者達が一同に集う、 年に一回の一大イベントです。 全国の院生による運営、日本物理学会等各種学会の後援のもと、 様々な分野において第一線で活躍する先輩研究者の方々を招聘しての講義、 研究課題についての口頭発表やポスター発表などの、研究者としてレベルアップするための交流の場を提供し続けています。
講義では毎年名だたる講師陣が招聘されています。過去にはかの久保亮五先生も招聘されたとか。 普段は論文や教科書でしか会えないような先輩方の渾身の講義からは、 単なる情報に留まらない多くを学べること請け合いです。 また、口頭発表やポスター発表は自身の研究や興味に関しての情報交換の場として有用ですし、 学会発表の予行練習として利用される方も多いです。 さらに、よりカジュアルなグループセミナーや各年度独自の企画、また夜の懇親会などの企画を通じて、 多くの問題についての知識を獲得したり様々な人々と親交を深めることが出来ます。 こうした貴重な企画が本校では実施されてきました。
2,物性若手夏の学校の特色
日本では、様々な研究分野に関する夏の学校が開かれていますが、本校のテーマは『物性』です。 鉄はなぜ磁石にくっつくのか?なぜ片栗粉の水溶液の上を歩けるのか?といった身近な問題から、 超伝導や超流動、あるいは半導体デバイスの応用研究まで、 物性という研究分野のカバーする範囲は元来極めて広いですが、広義の解釈では、 『物質の性質を解き明かしたい!』と考えている全ての人は物性科学者の範疇、と言えるかも知れません。 そうした事情を反映して、極めて広範な分野から多くの参加者が集まるのが本校の大きな特徴です。 その人数は毎年150人以上、分野は固体物理や低温物理はもちろん、非平衡系から生物学、 はたまた情報科学、と多岐にわたります。 もう一つ、参加者が非常に若いのも本校の特色です。 その大部分は修士や博士で、学部生の参加者も毎年います。 こうした、いわば研究のスタート地点に立つ人々にとって、 本校の経験は非常に大きなものがあるようで、例年多くのリピーター参加があります。
3,本年度の物性若手夏の学校
昨今、物理という学問分野における、その題材の細分化、専門化の流れはいっそう加速しており、
とりわけこの物性分野の流れは急速なものがあります。
そうした中で本校の果たす役割は大きくなっていると言えるでしょう。
そこで我々は2009年度第54回物性若手夏の学校を企画するに当たり、次のようなテーマを掲げます。
Ex-Broadenとは“広げる、広がる”という意味の“broaden”と、“爆発する”という意味の “explosion”を合わせた造語です。接頭語としての“ex-”には“外へ”という意味もあります。 物性分野における多様な研究課題の情報を交換し、そこに身を置く同世代の個性あふれる若手研究者と親交を深め、 その中で皆様の視点、価値観が爆発的に広がる、そういう場を提供したいという思いをこのフレーズに託しました。
現在我々準備局員一同、このテーマにのっとり、参加者の皆様が十分なコミュニケーションを達成するのを 手助けする企画を準備しています。 今後も企画のページを逐次更新して参りますので、どうぞお楽しみに。
4,必要なのは情熱だけ
先ほど述べた通り、参加者のバックグラウンドが極めて多岐にわたるのは物性若手夏の学校の大きな特色ですが、 その多様性は所属や分野だけではなく、参加する人々のモチベーションにも及びます。
- 自身の研究の面白み、重要性をみんなに広めたい
- 最新のホットな話題についての知識を一気にモノにしたい
- 研究テーマで悩んでいて、方向性を決めるための一助にしたい
- 将来の研究生活をにらんで、横のつながりを作りたい
- 研究者へ進むかどうか、将来の道を決めかねている
- 自身の研究に行き詰まり、打開するためのアイデアを探している
- 最先端でバリバリ働く先輩研究者の話が聞いてみたい etc...
これほど多様な問題を持つ人々全てを物性若手夏の学校は満足させ得るのか? 私はYesであると確信しております。それはなぜか?
まず150人以上の同業者が集まりカジュアルにコミュニケーションのとれる場自体が、 上記の問題を解決するのに有用であることは言うまでもありませんが、 私が強調したい本校の特徴はそれだけではありません。 本校の参加者の最大の特徴、それは「熱さ」「真剣さ」です。 参加者の誰もが各々の研究および研究生活に真剣に向き合い、問題に対して情熱をもって取り組んでいます。 そうした人たちが、ひとたび話をすればその真剣なまなざしをこちらの問題にも向けてくれるのです。 また熱いのは参加者だけではありません。 講師、先輩研究者の皆様も、本校の価値を認め、講義や講演に心血を注いでくださいます。 それだけではなく連夜の懇親会では、参加者の思いの丈を、その知識と、経験と、情熱をもって 真摯に受け止めてくれるのです。 このような場ならば自分の問題に対する知見だけではなく、 それ以上のものが得られるだろう、そう思いませんか? 今まで自分が考えもしなかったようなことを、必ずや多数持ち帰ることが出来るでしょう。
長くなりましたが、本校についての説明は以上です。 さあ、皆様。必要なのは熱い心だけです。物性若手夏の学校に参加してみませんか?