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第71回 物性若手夏の学校 Condensed Matter Physics Summer School

集中ゼミ 2D

アクティブな流体と細胞の物理学

前多 裕介 先生 🌐

京都大学

細胞は,熱揺らぎの支配するミクロな分子系でありながら,内部で化学エネルギーを消費することで自発的に力を生み出し,秩序構造の形成を介して運動する非平衡系である.

本講義では,散逸を伴いながら自ら流動するアクティブ流体として細胞内環境を捉え,パターン形成や対称性の破れの力学的原理を理解することを目指す.

まず,粘性流体の連続体記述を出発点として,分子モーターに由来するアクティブ応力をどのように導入するかを説明する.

次に,アクトミオシン流体が細胞サイズの空間に閉じ込められたときに,周期的な収縮波や自発的な細胞運動といった秩序だったダイナミクスがどのように現れるかを解説する.

本講義を通じて,生命現象を単なる分子反応の集まりとしてではなく,非平衡ソフトマターの物理として捉え,アクティブ流体の物理学と細胞内ダイナミクスの関係を最新の実験・理論研究に基づいて論じたい.