企業講演
製造業を革新するプロセスインフォマティクス
関 翔太 様
アイクリスタル株式会社🌐
半導体、自動車、電子部品、素材など日本を支える製造業では物理現象を精密に制御することで高性能・高品質な製品が作られている。
熱処理、混合、反応、成長、加工といった製造プロセスの一つ一つは、物質・材料の特性を望ましい方向へ変化させるための物理的な操作である。
製品の性能や歩留まりは、こうしたプロセス中で生じる温度分布、濃度分布、流速分布、応力分布、欠陥分布等の物理状態の履歴によって決定される。
プロセスインフォマティクスは、製造プロセスを最適化、つまり「どう作るか」を最適化する技術である。
製造装置構造、条件パラメータ、消耗部材の組み合わせなどの最適な製造条件を情報技術を駆使して高速に見つけ出すことで開発期間の圧倒的な短縮が可能となる。
プロセスインフォマティクスにおいて複雑な製造プロセスをコンピュータ上に再現する「デジタルツイン」の構築が肝要である。
デジタルツインとは、物理シミュレーションや機械学習を用いて製造プロセスの物理現象をモデル化することで、試作条件や装置形状から対応する試作結果を予測する技術である。
機械学習により、このような予測 (仮想実験) を高速化することができ、ものの一瞬 (1秒未満!
) で、ある条件に対する実験結果を実際に実験を行わなくても予測できるようになる。
この高速デジタルツインを用いて、あらゆる装置構造・プロセスパラメータを探索することで「生産性も上がり、コストも下がり、品質も上がる」といった理想的な製造条件を求めることが可能となる。
アイクリスタル株式会社では2019年の創業以来、累計65社以上、150プロジェクト以上で半導体業界や自動車業界をはじめとする様々な製造業においてプロセスインフォマティクスの成果を挙げている。
本講演では、その知見を踏まえながら、プロセスインフォマティクスの枠組みを概観し、実際の製造プロセスへの適用事例を半導体製造プロセスを中心に解説する。
物性物理を学ぶ皆様が身につけてきた、現象を支配する因子を見極める力、モデルを立てる力、近似の妥当性を考える力、測定結果を物理的に解釈する力はプロセスインフォマティクスにおいて大きな武器となる。
本講演により、プロセスインフォマティクスや製造業に興味を持つ学生が増え、製造業の発展に貢献できれば幸いである。





