超高圧力の科学と技術が拓く物質科学:超高圧下の超伝導化現象
大阪大学 極限量子科学研究センター 清水 克哉

物質研究において高圧力がもたらす効果は枚挙にいとまがない。 物質が示す多様な物性は、電子の運動エネルギー、電子間相互作用エネルギー、 電子と核の相互作用エネルギーの競合から生れるから、 圧力を加えることはこれら三者の相対的大きさを変化させる最も単純でかつ有効な手段といえる。 例えば最も単純な元素である水素の超高圧の究極の姿はどのようなものであろうか。 室温超伝導を示す金属になると考えられているが、未だ実験的検証はされていない。 物質の究極の姿を求め、その中に潜む普遍性を見いだすことこそ物理研究の本質といえるだろう。 近年の圧力誘起絶縁体−金属転移や圧力誘起超伝導体の発見、 また高温超伝導体や強相関電子系の研究に代表される様に、 圧力が誘起する量子相転移は近代物理学の中心的課題といえる。
講演では、高圧・低温の発生や超伝導の検出方法、 測定例の順で基礎的な実験テクニックから実際の測定の詳細を説明して、 超高圧力を用いた物質科学を入門的に紹介する。

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